愛媛大学二次試験【数学】傾向と対策、過去問解説あり

愛媛大学二次試験対策(数学) 愛媛大学対策

こんにちは、愛大研公式ブログ編集部の茶山です。 

本記事では愛媛大学合格を目指すあなたに向けて、実際に愛大二次数学を突破した経験を持つ私が愛媛大学二次試験(数学)の傾向と対策をお話しさせていただきます。

以前お伝えした愛媛大学に合格したいなら!【受験のプロが勉強方法と対策を語る】の記事もぜひご覧になってから読んでいただけると幸いです。

参考書に乗っているような表面的なアドバイスではなく、具体的で実践しやすい方法をお伝えしようと思います。ぜひ最後まで読んで頂ければ幸いです!

本記事では、

  • 愛大数学の出題傾向
  • 難易度および出題形式
  • 愛大数学の対策

の3ステップで解説していきます。 

また、愛大二次英語についても以下の記事で詳しくまとめていますのでそちらも宜しければご覧ください。

関連記事【プロが解説】愛媛大学二次試験(英語)の傾向と対策

愛媛大学二次試験数学の傾向

愛媛大学 二次試験 数学 傾向
2019 ①小問集合 2018 ①小問集合 2017 ①小問集合
  ②二次関数   ②二次関数、積分   ②二次関数
  ③微分・積分、
指数・対数
  ③微分・積分、
図形と方程式
  ③複素数平面
  ④ベクトル   ④ベクトル   ④ベクトル、
命題
  ⑤確率・数列   ⑤確率・数列   ⑤確率、数列
  ⑥不等式、対数、微分、極限   ⑥図形と方程式、
複素数、微分・積分
  ⑥極限、微分・積分
  ⑦三角関数、微分・積分   ⑦複素数平面   ⑦複素数平面
  ⑧複素数平面   ⑧積分   ⑧微分・積分
  ⑨確率   ⑨確率   ⑨微分、極限

過去3年分の出題範囲をまとめています。

2019年

理・工学部(理系) ④~⑧(5問)

医学部 ⑤~⑨(5問)

教育学部(中等教育ー数学・理科・技術) ①、③、④、⑤(4問)

農・工学部(文理型)・教育学部(中等教育ー数学・理科・技術以外) ①、②、④、⑤(4問)

 

2018・2017年

理・工学部(社会デザインを除く) ④~⑧(5問)

医学部 ⑤~⑨(5問)

教育学部(中等教育ー数学・理科・技術) ①、③、④、⑤(4問)

農・工学部(環境建設工≪社会デザインを除く≫)・教育学部(中等教育ー数学・理科・技術以外) ①、②、④、⑤(4問)

自身が志望している学科の出題範囲について注目してみてください。 

 

まず初めに理・工学部(理系)の場合は過去3年連続で出題されているのがベクトル、数列、確率、微分・積分、複素数平面となっています。

続いて医学部です。こちらも数列、確率、微分・積分、複素数平面となっています。

次に教育学部(中等教育ー数学・理科・技術)です。こちらはベクトル、確率、数列の分野です。

最後に農・工学部(文理型)・教育学部(中等教育ー数学・理科・技術以外)です。ここでは二次関数、ベクトル、確率、数列となっています。

難易度および出題形式

難易度 出題 傾向 愛媛大学

次に愛大数学の二次試験の難易度と出題形式について解説します。初めに難易度について触れていきます。

難易度:愛大数学はどれくらい難しいの?

愛大数学について分析した特徴的な部分は以下の2つです。

  • 基本的から標準ほどのレベルで、典型的な問題が多い。
  • 全問記述式のため整った論述が求められる。 

愛大数学の全体像を述べると標準的なレベルです。理由としては、

  • 時間的制約があまり厳しくない。
  • ただし、証明問題が含まれ論述での解答を求められるため、丁寧かつ採点者に伝わりやすい答案を作成する必要がある。

合格平均点は60~70%程度で、数学がよほど苦手ではない限りしっかり対策することで十分に取ることのできる得点になっていると思います。ただし、証明問題や論述式の問題で構成されているため、油断は禁物です。

 

出題形式:どんな問題が出るの?【過去問解説】

次に出題形式についてです。先ほども述べましたが、標準的なレベルの典型問題が論述形式で出てきます。傾向を掴んでから対策を確認しましょう。 

初めに愛大数学二次試験の出題傾向に触れましたが、受験学部ごとに毎年出題のある分野が存在していますので、その部分での失点をできるだけしないよう特定分野の典型問題を再度演習しましょう。一つ例を挙げれば、⑤数列・確率の複合問題として確率漸化式は毎年出題のある典型問題ですのでしっかりと論述展開ができるように演習をしましょう。 

理想としては上記の分野での出題に関して、1題で20分~25分での完答が出来ればとても良いです。

 

それでは、どの学部でも出題のある確率漸化式の問題に挑戦してみましょう。

問.表の出る確率が1/3である硬貨を投げて、表が出たら点数を1点増やし、裏が出たら点数はそのままとするゲームについて考える。0点から始めて、硬貨をn回投げた時の点数が偶数である確率をpnを求めよ。ただし0は偶数と考える。

 

下にスクロールすると解答があります。

 

 

 

 

解けたでしょうか? 

解答はpn=1/2{1+(1/3)}です。

では何に注目して解けばよいのか、必要な知識は何かを含めながら解説していきます。

 

確率の施行(今回は硬貨を投げる)がn回行われる場合は確率漸化式の問題だと判断しましょう。この時、最初に考えることはn+1回目の確率をn回目の確率で表すことです。すると漸化式の形で確率を表すことが出来ます。この問題では、n+1回目に点数が偶数であるのは

n回目に点数が偶数で、硬貨を投げて裏が出る

n回目に点数が奇数で、硬貨を投げて表が出る

の2パターンが考えられます。それぞれn+1回目の確率をn回目の確率で表すという考え方に沿って表していきます。

 

① n回目に点数が偶数である確率はpnで、硬貨を投げて裏が出る確率は、表が出る確率が1/3ですので2/3であることが分かります。つまりn+1=2/3・pnと表すことが出来ます。

② n回目に点数が奇数である確率は点数が偶数である確率の余事象で表せます。これは点数が奇数か偶数しか取らないためです。したがってn回目に点数が奇数である確率は1-pnとなります。硬貨を投げて表が出る確率は1/3ですのでpn+1=1/3・(1-pnと表すことが出来ます。

①、②の事象は同時には起こらない(排反)ため足し合わせることが出来ます。すると、pn+1=1/3・pn+1/3

ようやくn+1回目の確率をn回目の確率で表すことができました。ここからは漸化式の問題です。この式を見てan+1=pan+qの形を思い浮かべる必要があります

 

an+1=pan+qの形では初めに特性方程式(an+1、anをαに置き換える)を解く必要があります。上の式で実際に解くとα=1/3・α+1/3⇔α=1/2となります。これをan+1-α=p(an-α)に代入します。するとpn+1-1/2=1/3(pn-1/2)となり、an+1/an=rとなるのでこの式が等比数列であることが分かります。初項p1-1/2=1/6、公比r=1/3より

pn-1/2=1/6・(1/3)n-1pn=1/2{1+(1/3)

 

ポイントとしては

  • n+1回目の確率をn回目の確率で表す
  • an+1=pan+qの漸化式を解ける

の2点になります。漸化式は覚えていれば式の形を見て解くだけですが、覚えていないと太刀打ちできません。型が決まっているのでしっかりと暗記しましょう。

 

↓関連動画↓

令和4,5年度の数学を解説!

【愛媛大学2次試験】2022年度前期数学の徹底解説#愛媛大学

【愛大数学】令和5年度愛媛大学2次試験数学を徹底解説!〜前編〜

 

愛媛大学二次試験数学の対策

愛媛大学 二次試験 数学 対策

愛大研数学講師岩佐が提案するプラン↓

  • 自分が解けそうな問題から解答に取りかかる
  • 正確な論理展開で解答を作る

愛媛大学の二次試験数学は基本的から標準レベルの問題が出題されると解説しました。これは裏を返すと、受験する学生同士で差がつきにくいということです。つまり、点を取ることより失点をしないことが重要になってきます。 

 

失点をしないために重要なことは、先に解ける問題を解き切ってしまうことです。「頭から解いていたら時間が足りなくなってしまった、解けない問題に時間を使いすぎて思ったより点が伸びなかった」といったことは完全になくしましょう。実際に問題を解くときは、試験開始とともにどの問題が解けそうで、どの問題から解答するか、問題を見て判断しましょう。また、解く順番を決めて解き始めた後に解法がすぐに思いつかない問題が出てきた場合も粘着することなく、未回答の問題に取り掛かってください。  

実際に時間を図って過去問を解くときや、第一志望以外に大学を受ける場合はそちらで実際に練習をすることを勧めます。  

 

次に、全問記述式の解答は正確な論理展開が求められます。これは解答に至る経緯をしっかりと示す必要があるということです。「解答に至る経緯」は採点の基準がきちんと存在していますのでそれを知ることが大事になるでしょう。

採点の基準は赤本や参考書でもある程度は載っていますが、一人での演習では限界があるので学校や塾の先生に添削指導をしてもらうのが一番良いです。採点する側に自分の解答が何を言いたいのか、それが正確に伝わったかを判断しやすいですし、解答を作る上達の近道になると思います。

 

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