【プロ講師が解説】岡山大学合格に向けた参考書ルートを科目別に解説

みなさんこんにちは。愛大研ハイスクール編集部の中村です。

今回は岡山大学の入試傾向や、難易度・偏差値などを踏まえながら合格に向けた参考書ルートを科目別に詳しく解説していきたいと思います。

岡山大学は金沢大学・千葉大学・広島大学などと並ぶ中国地方の中堅国立大学で、毎年多くの受験生が志望します。そんな戦いに勝ち抜くためには、明確な戦略とそれを実行することが大切です。

また、岡山大学は

●文系学部: ４学部 (文学部、教育学部、法学部、経済学部)

●理系学部: ６学部 (理学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、農学部)

の全10学部から構成された総合大学です。推薦などの入試方式もありますが今回は一般入試で受験をする方に向けて記事を書いていきたいと思います。

岡山大学の受験を考えている方は自分の志望する学部と入試方式についてまずは調べてみましょう！

岡山大学の出題傾向｜入試難易度
1. 出題傾向
2. 入試難易度と偏差値
共通テスト・個別試験の配点
1. 共通テスト
2. 個別試験
岡山大学合格に必要な勉強法とは
【科目別】岡山大学合格に向けた参考書ルート
岡山大学合格のための参考書ルートを作成しよう
愛大研ハイスクールで岡山大学合格を目指そう

岡山大学の出題傾向｜入試難易度

出題傾向

岡山大学の各科目ごとの主な出題傾向は以下の通りです。

英語：標準～やや難レベルで、長文読解2題と、和文英訳と自由英作文2題の構成。
国語：評論・小説・古文・漢文の4題の構成で、論述や要点記述が多く、標準～やや難の難易度。
数学：大問4題の構成で、幅広い範囲から出題され、標準〜やや難レベルの問題が中心。
物理：まんべい分野から出題され、大問4題の構成で難易度は全体に標準だが波動分野はやや難しめ。
化学：全分野から偏りなく大問4～5題構成で出題され、記述・論述が中心で難易度は基礎～標準。
生物：大問4題中3題を必須解答、難易度は標準～やや難しめで、“難”レベルの単元も含まれる。

入試難易度と偏差値

岡山大学は、金沢大学・千葉大学・広島大学とともに中堅レベルの国立大学として毎年人気を誇っています。今回は岡山大学と上記の3大学を比較していくことで入試難易度と偏差値についてみていこうと思います。

まず偏差値についてですが、文系学部・理系学部ともに千葉大学が最も偏差値が高く、次いで広島大学、岡山大学と金沢大学はほぼ横並びというような順番になっています。なお、医学部に関しては岡山大学のほうが広島大学よりも偏差値が高い傾向にあります。また、入試問題の難易度についても全体的にはこの順番で難しい傾向にあります。

岡山大学の学部ごとの偏差値は以下の通りです。

※学科によって偏差値に幅が生じています。

学部	偏差値
文学部	57.5
教育学部	50.0～55.0
法学部	55.0
経済学部	55.0
理学部	50.0～55.0
医学部	55.0~65.0
歯学部	60.0
薬学部	55.0~60.0
工学部	50.0~52.0
農学部	52.5

文系学部では文学部、理系学部は医学部の偏差値が一番高くなっています。

また、先ほど述べた通り同じ学部でも学科によって大きく偏差値が変わってくることもあるので受験を検討している方は入試難易度などとともに詳しく調べてみてください。

（参考：河合塾　Kei-Net）

共通テスト・個別試験の配点

共通テスト

岡山大学の各学部ごとの共通テストの配点は以下の通りです。

（参考：マナビジョン）

文学部

学科	合計点	国語	数学	外国語	地歴・公民	理科	情報
人文学科	775	200	100	200	200	50	25

教育学部

学科	合計点	国語	数学	外国語	地歴・公民	理科	情報
	950	200	200	200	歴公，理より３科目選択（１科目１００点）		50

※学校教育教員養成課程／中学校教育専攻のみ数学の配点が100点で合計点が850点

法学部

学科	合計点	国語	外国語	数学	地歴・公民	理科	情報
法学科	925	200	200	200	200	100	25

経済学部

学科	合計点	国語	外国語	数学	地歴・公民	理科	情報
経済学科	925	200	200	200	歴公，理より３科目選択（１科目１００点）		25

理学部

学科	合計点	国語	外国語	数学	地歴・公民	理科	情報
	950	200	200	200	100	200	50

※どの学科も理学部は上記の配点

医学部

学科	合計点	国語	外国語	数学	地歴・公民	理科	情報
医学科	550	100	100	100	100	100	50
保健学科/看護学専攻	725	100	200	200	※		25
保健学科/放射線技術科学専攻	900	200	200	200	50	200	50
保健学科／検査技術科学専攻	800	100	200	200	50	200	50

※文系の場合は地歴・公民が200点・理科が50点、理系の場合は地歴・公民が50点・理科が200点

歯学部

学科	合計点	国語	外国語	数学	地歴・公民	理科	情報
歯学科	930	200	200	200	歴公，理より３科目選択（１科目１００点）		30

薬学部

学科	合計点	国語	外国語	数学	地歴・公民	理科	情報
創薬科学科	950	200	200	200	100	200	50
薬学科	950	200	200	200	100	200	50

工学部

学科	合計点	国語	外国語	数学	地歴・公民	理科	情報
工学科	950	200	200	200	100	200	50

農学部

学科	合計点	国語	外国語	数学	地歴・公民	理科	情報
農学科	475	100	100	100	50	100	25

個別試験

岡山大学の個別試験の配点は以下の通りです。

文学部

学科	合計点	国語	外国語
文学科	400	200	200

教育学部

【養護教諭養成課程】

合計点	小論	その他
400	300	100

【学校教育教員養成課程／小学校教育専攻】

合計点	国語	数学	外国語	理科	実技
400※	200	200	200	200	400

※国，数，理，英より２教科（但し，国，理の同時判定不可）または実技よりいずれか選択。

【学校教育教員養成課程／中学校教育専攻】

合計点	実技
400	400

【学校教育教員養成課程／中学校教育専攻】

文系

合計点	国語	外国語
400	200	200

理系

合計点	数学	理科
400	200	200

【学校教育教員養成課程／特別支援教育専攻】

合計点	国語	数学	外国語	理科	実技
400※	200	200	200	200	400

※国，数，理，英より２教科（但し，国，理の同時判定不可）または実技よりいずれか選択。

【学校教育教員養成課程／幼児教育専攻】

合計点	国語	数学	外国語	理科	実技
400※	200	200	200	200	400

※国，数，理，英より２教科（但し，国，理の同時判定不可）または実技よりいずれか選択。

法学部

学科	合計点	国語	英語
法学科	800	400	400

経済学部

学科	合計点	国語	数学	英語
経済学科	600※	300	300	300

※国、数、英から2科目選択

理学部

理学部の個別試験の配点はどの学科も共通で以下の通りです。

合計点	数学	英語	理科
1400	600	200	600

医学部

【医学科】

合計点	数学	英語	理科	面接
1100	400	400	300	点数化しない

【保健学科】

看護学専攻　文系/理系

合計点	英語	面接
300	200	100

放射線技術科学専攻

合計点	数学	英語	理科	面接
600	200	200	200	点数化しない

歯学部

学科	合計点	数学	英語	理科	面接
歯学科	800	200	200	200	200

薬学部

【創薬科学科】

合計点	数学	英語	理科
800	200	200	400

【薬学科】

合計点	数学	英語	理科	面接
800	200	200	400	点数化しない

工学部

どの学科も個別試験の配点は以下で共通です。

合計点	数学	英語	理科
1300	500	300	500

農学部

合計点	数学	英語	理科
600	200	200	200

岡山大学合格に必要な勉強法とは

1. 基礎を徹底して“穴”をなくす
• 岡山大学の問題は、基礎が分かっていれば対応できるものが多い。
• 教科書レベルを完璧にしてから、標準〜応用問題集に進むのが効率的。

2. アウトプット型学習を重視
• 解法を読むだけでなく「必ず自分で手を動かして解く」こと。
• 英語は長文を声に出して読んだ上で、和訳・要約し、微妙なところを書き直す。
• 数学や理科は「なぜその式を立てたか」を意識して解くようにする。

3. 過去問・模試を“教材”にする
• 解けなかった問題は必ず分析して「次は解ける状態」に直すことが大切。
• 過去問は得点チェックだけでなく、出題パターンを把握する材料なので間違えた問題を特に大切に。

また、岡山大学は上記の通り共通テストの配点が高い傾向にあるので共通テスト対策も合格を目指すうえで重要な”鍵”となってきます。

参考：広大研公式ブログ：【共通テスト】これだけは押さえておきたい対策法５選【高校１，２年生必見】

何から手を付けてよいのかわからなかったり、具体的な対策方法が知りたい方は上記の記事なども参考にしてみてください。

【科目別】岡山大学合格に向けた参考書ルート

英語の参考書ルート

岡山大学の英語は120分の記述式で、長文読解・和文英訳・自由英作文が中心です。直訳ではなく表現を工夫し、論理的にまとめる力が合否を左右します。

	参考書名	おすすめ理由
基礎レベル	ターゲット1900	英語学習の基盤は語彙力です。岡山大学の長文は英検準1級レベルのため、標準的な単語帳を仕上げることが必須になります。ターゲット1900は大学入試で必要な語彙を網羅しており、例文も短く覚えやすいため、共通テストから二次試験まで幅広く使えるのでおすすめです。
岡山大学合格レベル	英文解釈の技術70	岡山大学の長文問題はただの速読では対応できず、一文ごとの構造理解が求められます。特に記述式の要約や和訳では、文法や構文の理解不足がそのまま減点に直結します。英文解釈の技術70は、難しすぎず基礎〜標準レベルの解釈を丁寧に解説しており、構文の理解力を鍛えるのに最適です。
岡山大学合格レベル	イチから鍛える英語長文500	500語レベルの英文は岡山大学の二次試験にちょうど合った分量で、設問も記述に対応しやすい作りになっています。本文の読み込みと問題演習を繰り返すことで、内容の理解力と記述力が同時に鍛えられると思います。

国語の参考書ルート

岡山大学の国語は120分・記述中心で、現代文2題と古文または漢文から1題が出ます。現代文は要約力や説明力、古文・漢文は心情や文意を正確に読み取り、表現する力が必要でマーク式とは違って答案の質が合否を分けます。

現代文

	参考書名	おすすめ理由
基礎レベル	入試現代文へのアクセス（基本編〜発展編）	現代文の読解プロセスを段階的に学べる定番。論理の流れや傍線部説明の仕方を体系的に理解でき、岡山大の記述問題に直結します。
岡山大学合格レベル	現代文記述のトレーニング	答案の書き方に特化した1冊で、模範解答と比較しながら”採点者に伝わる文章”の作り方を学べます。岡山大学の国語で問われる、要約・説明問題対策に最適です。

古文

	参考書名	おすすめ理由
基礎レベル	マドンナ古文単語230	古文単語を効率よく覚えられる1冊です。文章中での単語の使われ方やイラスト解説があり、暗記にとどまらず「文脈で意味をとらえる力」が身につくと思います。
岡山大学合格レベル	古文上達基礎編・読解編	文法の知識と読解をバランス良く強化できる参考書。特に文章中の人物の心情や場面描写を読み取る練習が岡山大学の記述式の古文に直結します。

漢文

	参考書名	おすすめ理由
基礎レベル	漢文ヤマのヤマ	頻出の句形や語彙をコンパクトに整理した定番の参考書です。短期間で基礎を仕上げられるため、漢文の配点が大きくない岡山大でも効率よく得点源にできます。
岡山大学合格レベル	漢文早覚え速答法	句形・重要表現をリズムよく覚えられる教材です。演習問題付きで、インプットした知識をそのまま答案に使える練習ができるのので、知識が定着しやすくおすすめです。

数学の参考書ルート

岡山大学の数学は、理系は120分4題前後、文系は90〜120分3題前後が標準です。奇抜な難問は少なく、典型問題を確実に解き、途中式まで丁寧に書けるかが合否のポイントになります。

	参考書名	おすすめ理由
基礎レベル	青チャート	基礎から発展的な問題までを体系的に学べる定番の参考書です。例題・練習問題を繰り返すことで定番問題の解法が自然に身につき、岡山大学の標準的な数学の問題に直接的に役立ちます。
岡山大学合格レベル	岡山大学　赤本	最終的には岡山大学の過去問演習が必須です。時間配分や記述の仕方を実戦形式で慣らし、解答の書き方を磨くことが合格点するために一番重要です。

物理の参考書ルート

物理は標準〜やや難レベルの典型問題が中心で、幅広い分野から出題されます。計算量が多い傾向があり、公式を暗記するだけでなく原理から立式して記述できる力が必要です。奇抜な問題は少ないので、基礎を固めたうえで標準問題を確実に得点にすることが大切です。

	参考書名	おすすめ理由
基礎レベル	物理のエッセンス	基礎から標準レベルまでの典型問題を分野別に整理した定番の参考書です。1問1問がコンパクトなので復習しやすく、解法のパターンを短時間で効率的に身につけられるのでおすすめです。
岡山大学合格レベル	良問の風	入試標準レベルの良問が厳選されており、解説も非常に丁寧で理解が深まりやすいと思います。岡山大学のように、標準問題を確実に解く力を重視する大学に特に有効で、解答のプロセスの再現を意識することで記述力も鍛えられると思います。
岡山大学合格レベル	岡山大学　赤本	実際の岡山大学の問題を通して時間配分の感覚を身につけ、答案の書き方を本番形式で磨くことが重要です。特に自分の弱点分野を洗い出して、重点的に補強するために活用すると効果的です。

化学の参考書ルート

標準〜やや難レベルの典型問題が中心で、有機・無機・理論から幅広く出題されます。計算問題と記述問題のバランスがよく、知識量・計算力・理解力を総合的に試されるのが特徴です。

	参考書名	おすすめ理由
基礎レベル	重要問題集	入試標準レベルの良問を網羅した定番の参考書です。典型的な計算問題から応用的な記述問題まで幅広くカバーしており、岡山大学の二次試験レベルに適しています。解説が丁寧なので理解が深まり、繰り返し解くことで理解を深めていくことが重要です。
岡山大学合格レベル	岡山大学　赤本	岡山大学の化学に独特の出題傾向や時間配分に慣れ、記述解答のスタイルを確立することが最終的に一番重要なことです。弱点分野の洗い出しにも役立ち、直前期の勉強方針を立てる指針にもなります。

生物の参考書ルート

標準〜やや難レベルの問題が中心で、細胞・遺伝・生態・進化など幅広い分野から出題されます。記述問題が多く、用語暗記だけでなく、実験考察やデータ処理を伴う論理的な記述力が合否を分けます。図や表を読み取り、自分の言葉で説明できる力が必須です。

	参考書名	おすすめ理由
基礎レベル	セミナー生物	基礎〜標準レベルの演習書で、頻出分野を網羅できます。問題数が多く復習しやすいため基礎固めに最適です。特にグラフ問題や図表を扱う設問は岡山大学の出題傾向に合致していると思います。
岡山大学合格レベル	生物重要問題集	標準〜やや難レベルの良問を集めた定番の問題集です。実験の考察やデータ処理の問題が充実しており、岡山大学の二次試験対策に直結します。解説も詳しく、記述答案の作り方を学ぶのに効果的です。
岡山大学合格レベル	岡山大学　赤本	時間配分や答案の作成を本番の形式で練習し、特に「記述でどの程度の内容を書けば得点になるか」を把握することが大切です。過去問を繰り返すことで、知識をどのように答案に落とし込むかが明確になります。

岡山大学合格のための参考書ルートを作成しよう

この記事では、岡山大学に合格するためのおすすめの参考書ルートや、勉強方法ついて紹介してきました。もちろん、ここで示したのはあくまで一例であり、現時点での学力や得意・不得意、学習ペースは人によって大きく異なるため、

今回の記事をもとに個人に合わせた勉強計画を立てることが必要です。

とはいえ、「自分の今のレベルを正確に把握し、自分で岡山大学合格のための勉強計画を立てる」ということを一人で実行するのは簡単ではありません。学習計画づくりや受験指導の経験を持つ専門家に相談することで、現在地と合格までの道筋が明確になり、日々の勉強に迷いがなくなります。結果として、学習効率が高まり、合格にぐっと近づくことができます。