こんにちは、愛大研公式ブログ編集部の巻田紗依です。
この記事をご覧になられているあなたは、
愛媛県立松山西中等教育学校(通称県西)の受験、進学を考えているけれど、
何から対策を始めていけば良いかわからない…そんな不安を抱えておられると思います。
本記事では、受験プロの視点から
最新の倍率・偏差値データをもとに県西の実情を整理し、
これからの対策に役立つ見方をお伝えします!
松山西中等教育学校の倍率
まずは、松山西中等教育学校の最新の志願倍率(志願者数 ÷ 募集定員)のデータを、令和4年度から令和7年度まで見てみましょう。他の年度とも比べることで、近年の動きが見えてきます。
令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | |
募集人数 | 160 | 160 | 160 | 160 |
合格者数 | 160 | 160 | 160 | 160 |
志願者数 | 280 | 242 | 248 | 241 |
倍率 | 1.75倍 | 1.51倍 | 1.55倍 | 1.51倍 |
愛媛県内の他の公立中等教育学校と比べると人気傾向にあります。
(参考:宇和島南、今治東は定員割れをしています。)
令和3年度以前は1.7~2.0倍程度になることもありました。
ただ、令和4年度のピーク(約1.75倍)から、令和5〜7年度にかけてはやや落ち着いて 1.5倍前後 の倍率で安定してきており、人気が安定して高めなことがわかります。
松山西中等教育学校の偏差値
また、松山西中等教育学校の偏差値は一般的に53〜55と言われています。
参考:みんなの中学情報
※偏差値は「目安」であり、どの学校のどの情報を対象にしているかで数値が変わることがあります。
中学受験校として特別高い偏差値ではありませんが、作文・適性検査・面接など入試方式が独特なため
偏差値だけを見るのではなく、出題傾向をしっかり分析し、それに沿って対策をしていくことが大切です。
松山西中等教育学校の入試システムとその対策
松山西中等教育学校の令和7年度 入学者募集要項を見てみましょう。
松山西中等教育学校では入試において、以下のような形態で実施されます。
配点 | 時間 | 参考 | |
適性検査 | 50点 | 60分 | ー |
作文 | 50点 | 50分 | 600字程度 |
面接 | 50点 | 25分程 | ー |
調査書(内申点) | 50点 | ー | ー |
試験全体の配点合計は200点となっています。
また、令和8年度入試は1月9日(金)の予定で、
作文→適性検査→(昼食)→面接の順に実施されます。
そのため、朝から集中して勉強する習慣をつけておくことも大事になってきます。
適性検査
適性検査では国語、算数、理科、社会の総合問題が出題されます。
グラフや図から読み解いていく問題をはじめとして、
学校では解いたことのないような問題が多く出題されます。
一例として、
『江戸時代に浮世絵が多くの人に親しまれた理由を、2つの提示された資料から推測して答える』
という問題がありました。
解答例としては、
作成方法と、当時のいくつかの物価を示した2つの資料から、『大量生産が可能で比較的安価なため、庶民にも手に入れることができるものだったから』
という答えが挙げられます。
そのため、学校の教科書の基本を押さえていくことはもちろん、
それらの知識を応用して問題を解く力を身につけなければなりません。
この力は、受験対策用の参考書などで間違えた問題を何度も解き直し、
知識の活用の仕方を学ぶことで身につきます。
しかし、見当違いな勉強計画や勉強法を繰り返していると、折角頑張っても思うような結果が得られず、努力がムダになってしまいます。
合格に向けて、受験のプロの対策や、適切な受験のための指導を受けることをお勧めします。
作文
50分で600字程度の作文をテーマに沿って書いていきます。
近年出題された作文テーマは以下のようなもので、指定された条件に従って文章を書いていくことになります。
・複数のテーマから選択する形式(例:「言葉がもつ力」「自分の好きな季節」など)
・経験・体験に基づいたテーマ(身近なこと/自分の好きなこと・日常からの気づきなど)
ただ過去問などを入手して一度生徒に解いてもらうとわかると思うのですが、
大人が思っている以上に小学生が作文の合格答案を書くことは難しいです。
実際に生徒の作文指導にあたっている私はこのことについて常々感じています。
また、一朝一夕で作文力は上がるものではありません。
何度も何度も書き直して、添削指導を受けるなどの早め早めの対策が合格への鍵となります。
特に、添削指導は第三者からの目線で癖や表現、論理展開を指摘してもらうことが非常に重要になってきます。
面接
集団面接、個別質問が行われます。
志望動機などをきかれるため、「この学校に行きたいんだ!」という明確な理由や意志を持って望む必要があります。
それ以外に近年問われたものとして以下のようなものがあります。
-
中学生活でがんばったこと・印象に残った出来事
-
学校での生活態度・協調性・リーダーシップの有無(例:班活動・部活動での経験)
-
将来の夢や中学校で学びたいこと
-
自分がどういう人間なのか(長所・短所、好きなこと・苦手なこと)
また、自分の意見を言えることも大切ですが
集団面接では議論の活性化のために、
他人の話を遮らずにしっかりと聞き、その上で自分の考えた意見を述べる
ということが重要となってきます。
実は、これは普段から意識して練習しておかないと意外とできないことなのです。
模擬面接を何度も行って質疑応答に慣れるのはもちろん、普段の生活から心がける必要があります。
調査書(内申点)
小学校長から調査書(内申点)等が提出されます。
実際に合格経験のある県西の卒業生や、現在県西に通っている愛大研の生徒の話には、
特に内申点が重要だという話があります。
また適性検査の難易度が急に上がり、受験者の点数の差がつかなくなってしまった場合も、
シワ寄せは内申点にきます。(内申点だけは当日試験内容によって左右されない為)
内申点はテストの点数だけではなく、学習態度、スポーツ・文化活動で目立った成果、平素の熱心な活動なども記載されます。
特に6年生は上記のような点に意識しつつ生活していかなければなりません。
松山西中等教育学校の合格ライン(目安)
では実際に合格するためには、どの程度点数を取る必要があるのでしょうか。
愛大研で合格範囲内(目安)としている点数は以下のようになります。
-
安全圏:140点以上(70%)
-
五分五分:125~139点(62.5~69.5%)
内訳は年度でばらつきますが、「取りやすいところを確実に取り、落としにくい失点を削る」戦略で7割ラインを安定させるのが基本です。
※学校公式の合格最低点は非公表です。上記は配点と近年の倍率傾向を踏まえた目安です。難易度や倍率で上下します。
適性検査の目標点
適性検査では、35点(50点満点)以上が安全圏となります。
具体的に、過去問や類似問題では、以下のように正解できると35点以上となります。
- 資料読み取り問題(グラフ・表・地図・図):7割正解
- 数理処理問題(比・割合・単位量、場合分け、図形の基本処理):基本~標準を全取り+難問は取捨選択
- 記述問題:1設問あたり減点1~2点以内で収める
具体的な対策として、
国語は、段落ごとに要旨にまとめ、設問根拠の線引きを徹底すること
算数は、割合・比・速さ・図形の典型的な問題を反復演習すること
理科社会は、資料を読み取り、理由づけ(だから〜と言える)までの型を書けるようにすること
が挙げられます。
ただ、試験形式に慣れていないと、そもそも時間内に全て解き切ることが難しいです。何度も繰り返しテスト形式で演習し、時間内に全設問へ着手することが大切です。
また、時間が限られているので取捨選択の練習も必要になります。
作文の目標点
作文でも、35点(50点満点)以上が安全圏となります。
評価のイメージとしては以下のようになります。
-
内容(20点):テーマに適合しているか、具体例が2つ以上あるか、自分の考えが筋道立てて述べられているか
-
構成(15点):導入→展開→結びが自然か、段落分けが適切か、話題の脱線がないか
-
表現(10点):語句の反復を抑えて表現に工夫が見られるか、主述のねじれが無いか、接続語の過不足が無いか
-
形式(5点):指定(600字程度・禁止事項など)遵守できているか、誤字脱字が無いか
また、35点以上取っている生徒様の作文では、上記点に加えて以下の事項も満たしています。
-
起(問題提起)承(体験)転(気づき・根拠)結(今後)の四部構成になっている
-
理由の理由まで書く(理由→その理由の理由)
-
禁止ワード回避(極端な断定/他者中傷など)
-
字数±5%以内(570字〜630字)
ただ作文は上述した通り、すぐに点数が伸びるものではありません。
遅くとも5年生夏頃から、少なくとも週2本は対策していくことをおすすめしています。
面接の目標点
面接でも、35点(50点満点)以上が安全圏となります。
評価のイメージとしては以下のようになります。
- 態度・礼節(10点)
- 傾聴と応答(10点)
- 論理性(10点)
- 自己理解(10点)
- 学校理解(10点)
例えば、志望理由について質問された際は「学校の教育方針と自分の関心が具体的に接続できている」かが見られ、
長所短所を質問された際は「具体例も伝え、短所の改善行動が言える」かが見られ、
集団面接では「他者発言を遮らずに要約し、賛否と理由を述べ、代案を伝えられる」かが見られます。
あまり点数差はつきませんが、受け答えが苦手なお子様の場合は特に対策をしておく必要があります。
ご家庭でできる対策としては、
録画してご家族でフィードバック(語尾の伸び・相槌・姿勢をチェック)や、30秒要約訓練(友達や家族の意見を30秒で要旨化し、自分の意見を30秒で伝える)などがあります。
調査書(内申点)の目標点
調査書(内申点)では、40点(50点満点)以上が安全圏となります。
愛媛県の小学校通知表は多くの自治体で観点別・3段階評価(A=高、B=中、C=要改善)制度を用いています。
40点を取るためには、主要教科(算国理社)でAを6~7割、副教科はできるだけAで固めることが大切です。
副教科は主要教科よりもAを取りやすいです。「態度・準備・安全」の3点を意識し、Aを安定して取っていきましょう。
Aが難しい主要教科はBで取りこぼしを最小化させましょう。
また、小学校成績の観点、それぞれの対策方法は概ね次のようになります。
- 関心・意欲・態度
先生への質問を週1回以上する
発表を1授業1回以上する
忘れ物をしない(教科書・ノート・物差し・配布プリント) - 思考・判断・表現
授業や宿題で間違えたところは、問題のやり直しノートを作って反復練習する
国語・社会・理科は「なぜ?」を2回掘り(理由→その理由)まとめる - 技能(技能・基礎基本)
副教科で苦手なところを、できるようになるまで家で練習する
音読は抑揚・区切りを意識して読む - 知識・理解
テストの度に予想問題(先生の語り・黒板の強調)を自作し、前日対策する
実際の換算式は非公表ですが、「A中心(8割以上)+B少々」であれば40点台前半を取れることが多いので、6年生になる前からの癖付けを意識しましょう。
受験に向けた計画の設定
松山西中等教育学校に合格するには、早期に基礎学力を身につける必要があります。
ここでいう基礎学力とは、小学校1〜6年までの教科書レベルの内容が理解でき、活用できる力のことです。
目安として、小学校5年生の夏頃からは対策を始めて欲しいです。
理由は、6年生になると、受験本番に向けた応用問題や作文指導に時間を割く必要があるからです。
基礎学力の定着が遅れてしまうと、その分応用問題などを解いて演習する時間も減ってしまいます。
5年生の夏頃から対策を始められると、余裕を持って基礎学力を身につけることができます。
また、6年生に上がったときに、5年生で先取り学習を終えているため、内申点でも良い評価を得やすいというメリットがあります。
基礎学力を早めに定着させ、合格を掴もう
いかがでしたか?
松山西中等教育学校合格のためには、内申点を上げる、早期の基礎学力定着など、勉強の指針を立てていくことが重要です。
そして、自分の現在地を把握した上で、効率の良い勉強方法を確立していくことが、合格のためには不可欠です。
しかし、ご家庭での学習スタイルや、学習計画の設定に不安を覚える方も多いです。
そんなあなたには、この記事を作成した愛大研がサポートを行います。
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愛大研の個別指導は「完全1:1」となっており、1年間同じ講師が担当します。名ばかりの個別指導ではありません。→愛大研の無料体験についての記事はこちら
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