こんにちは、愛大研公式ブログ編集部の巻田紗依です。
この記事をご覧になられているあなたは、
済美平成中等教育学校の受験、進学を考えているけれど、
何から対策していけば良いのか、そもそもどういう学校なのかわからない…
そんな不安を感じておられると思います。
本記事では、受験プロの視点から
最新の倍率・偏差値データをもとに済美平成の実情を整理し、
これからの対策に役立つ見方をお伝えします!
済美平成中等教育学校の倍率
まずは、済美平成中等教育学校の最新の実質倍率(志願者数 ÷ 合格者数)と志願倍率(志願者数 ÷ 募集定員)のデータを、令和2年度から令和7年度まで見てみましょう。他の年度とも比べることで、近年の動きが見えてきます。
令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | |
募集人数 | 120 | 120 | 120 | 120 | 120 | 120 |
志願者数 | 358 | 370 | 319 | 329 | 282 | 285 |
合格者数 | 299 | 305 | 285 | 288 | 263 | 268 |
実質倍率 | 約1.2倍 | 約1.2倍 | 約1.1倍 | 約1.1倍 | 約1.1倍 | 約1.1倍 |
志願倍率 | 約3.0倍 | 約3.1倍 | 約2.7倍 | 約2.7倍 | 約2.4倍 | 約2.4倍 |
志願倍率は3.0倍から2.3~2.7倍へ緩やかに低下しており、
実質倍率は1.1倍〜1.2倍ほどとなっています。
私立ならではの併願受験の仕組みにより合格者数を多めに出すため、
「出願→合格」のハードル自体は数値上は極端に高くない年が多いのが特徴で、
松山西中等教育学校や愛光中学校と比べると比較的低いと言えます。
しかし、倍率が低いからといって合格しやすいわけではありません。
数値だけで易しい、難しいの判断をするのは危険です。
実質倍率が低めでも、受験生の学力層は高く、出題の質も独特です。過去問演習は「量」+「復習の質」を徹底しましょう。
済美平成中等教育学校の偏差値
また、済美平成中等教育学校の偏差値は一般的に56〜58と言われています。(参考:松山西中等教育学校 53〜55)
参考:みんなの中学情報
※偏差値は「目安」であり、どの学校のどの情報を対象にしているかで数値が変わることがあります。
偏差値はその学校を受ける学生層の相対的な学力レベルの差を表しています。
つまり、試験を受けるライバルの数は少なくても、レベルは高いです。
また、試験問題も普段の学校生活では出会わないような難易度の高い問題が数多く出るためしっかりとした対策を行う必要があります。
以下の記事では、済美平成と比較されることの多い松山西中等教育学校の対策記事です。是非こちらも読んでみてください。
関連記事→松山西中等教育学校(松山西)に合格するために!偏差値、倍率、必要な内申点を解説!
済美平成中等教育学校の入試システムとその対策
済美平成中等教育学校の令和8年度 生徒募集要項を見てみましょう。済美平成中等教育学校では入試において、以下のような形態で実施されます。
試験科目 | 配点 | 時間 |
算数 | 100点 | 60分 |
国語 | 100点 | 60分 |
理科 | 50点 | 40分 |
社会 | 50点 | 40分 |
合計 | 300点 | 200分 |
令和7年度における合計点の受験者平均は、182.4点となっています。
各科目ごとの平均は下記のようになります。
-
国語:53.3点(100点満点)
-
算数:66.5点(100点満点)
-
理科:32.7点(50点満点)
-
社会:29.9点(50点満点)
令和8年度入試は1月6日(火)の予定で、
社会→算数→(昼食)→国語→理科→グループ面接の順に実施されます。
全体の試験時間が長いため、朝から夕方まで集中して勉強する習慣をつけておくことも大事になってきます。
また、専願入試、併願入試によって選考方法が分かれます。今回は併願入試について主に解説いたします。
筆記試験
筆記試験では、算数、国語、理科、社会の4科目が受験科目となります。
全ての科目を通して言えるのは、典型的な中学入試問題が多く出題されているということです。
典型的な中学入試問題といっても、公立小学校の生徒向けの学習内容とは格段に難易度が上がります。
大人でもその落差の大きさに驚いてしまうレベルです。
それほど中学入試問題は難しいのです。
そのため、しっかりとした基礎力定着(公立小学校の学習内容を完璧に抑える)を
いかに早く終え、実戦に向けた問題を解く時間を確保できるかが鍵になります。
しかし、見当違いな勉強計画や勉強法を繰り返していると、折角頑張っても思うような結果が得られず、努力がムダになってしまいます。
合格に向けて、受験のプロの対策や、適切な受験のための指導を受けることをお勧めします。
国語
60分で100点の試験で、知識(漢字・語彙・言語事項)+読解(選択+50〜60字程度の記述)を中心に出題されます。
まず知識問題についてです。
例年、常用漢字の読み書き/送り仮名/熟語の構成(同訓・音訓)/同音異義語/敬語の言い換え の出題が多いです。
近年出題された漢字の例として
「慰める」 「ホドコす」 「ダトウ」 「疎遠」
などが挙げられますが、基本的に常用漢字の範囲から出題されています。
市販の漢字問題集などで計画的に学習を進めていくことをお勧めします。
また、敬語・会話表現もよく出題されます。
「伺う⇄お見えになる」「存じ上げる⇄ご存じだ」
など、こちらもマスターしておきましょう。
入試で実際に差がつくのは読解問題であるため、ライバルと差を広げないためにも
知識問題の失点はできるだけ抑えたいです。
また、読解問題は選択問題と、50〜60字程度の記述問題で構成されています。
公立学校のテストと比べて難易度の高い問題ばかりが出題されています。
ライバルと差をつけるならば、この記述問題が特に重要になってきます。
理由は、記述問題を感覚に頼って解いている受験生が非常に多いからです。
例えば、答えは必ず文章の中にあるのに、想像で答案を書き上げてしまう生徒が実際にいました。
しかし、実は記述問題にはきちんとした解き方が存在します。
その解き方を身につけるには、何度も読解問題を解き直して解法の筋道を覚え、第三者からの適切な添削を受けることが必要となってきます。
算数
算数も国語と同様に60分で100点の試験です。
出題内容は、基礎的な計算問題から、中学入試問題の典型題と言われるような問題まで幅広い難易度の問題で構成されています。
計算力+文章題の処理力を総合的に問う内容が多く、「図・表へ書き出す→数量関係を整理→一段ずつ論理的に進める」型での得点がカギを握ります。
実際に出題された問題の一例を挙げます。
「家から学校まで同じ道を往復しました。
行きは分速80m、帰りは分速60mで歩いたところ、往復で42分かかりました。
家から学校までの道のりは何mですか。」
これが中学入試の典型題の1つです。
この問題、中学校で習う「平均の速さ」を使うと一瞬で解けてしまうのですが、小学生では未履修です。
算数的な解き方ではどのようにすれば良いか思いつきますか?
時間比が 3:4 なので、往復42分は 3+4=7等分。
1等分= 42÷7=6 42÷7=6 分。
行きの時間= 3×6= 分 なので
距離 =80×18= m
(帰りから求めてもOK)
となります。
本番では小学生がすぐにこの解法を思いつくことは当然難しいです。
しかし、過去にこの類題を解いて復習した経験があれば、
解き方を学んでいるため本番で解ける可能性が格段に上がります。
そのため済美平成の算数で点数を稼ぐには中学入試問題の典型題について
一通り学んでおく必要があります。
ですが、小学生が独学で中学入試問題の解説を理解するのはとても困難です。
このことからも、プロの解説や指導を受けることをお勧めしています。
理科
理科は40分で60点の試験です。
理科は基礎力(小学校で習う基本的な知識や問題の解き方)をつけた上で、それらを活用していく応用力まで求められています。
具体的には、
・穴埋め形式や選択形式などで知識を問う問題
・グラフなどから情報を読み取って活用していく問題
などがあります。
近年の頻出分野としては下記の単元が挙げられます。
-
物理分野:てこ・ばね・水圧・浮力の考え方・電気回路(直並列の電流・電圧・豆電球の明るさ)・光と音
-
化学分野:溶解・溶解度・濃度計算(質量%)・気体の性質・酸性・中性・アルカリ性
-
生物分野:植物のつくりと働き・動物の観察・分類・食物連鎖・季節変化
- 地学分野:天体(太陽の動き・星の動きの方位・時刻)・気象図の読み取り・岩石・火山・地震
算数と同様に、理科も典型題が多く出題されるため、
市販の参考書などで小学校の教科書で足りない知識を補って、中学入試対策問題集などで
演習を積んでいくことが望ましいです。
社会
社会も理科同様40分で50点です。
出題内容は、知識問題や資料読解問題、時事問題まで様々なパターンの問題が出題されています。
基本的に、小学校の教科書で習う知識がベースとなっています。
地理的な内容や歴史、公民など様々な分野からほぼ均等に出題されているのも特徴の1つです。
近年の頻出分野としては下記の単元が挙げられます。
- 地理:雨温図・人口ピラミッド・工業・農業の分布・地形図・等高線・交通・貿易
- 歴史:時代順・出来事の因果・文化と政治の対応・近現代(戦後〜現代)の出来事
- 公民:三権分立・国会・内閣・裁判所・地方自治(都道府県・市町村の仕事)・財政・税・国際連合・SDGs
どのパターンの問題でも一貫して言えるのは、きちんと正確な知識を身につけていれば、しっかり対応できるということです。
そのため、市販の参考書などでしっかり知識をインプットして、
覚えているかのチェックとして中学受験用問題集でアウトプットしていき、
知識の穴を埋めていくという方針で勉強を進めていくと良いでしょう。
面接
済美平成中等教育学校のホームページに、
『一般入試では、2~3人ずつのグループ面接を行います。専願・併願に関わらず全員実施です。1グループ5分程度で、「本校を受験しようと思った理由」などを質問します。
帰国児童入試と特別資格児童入試では、1人10分程度の個人面接を行います。いずれの入試でも、面接は得点化せず、選考の参考として扱います。』
とあります。
近年出題されているのは「本校を受験しようと思った理由」「小学校で協力してやり遂げたこと」「最近関心のあるニュース」などになります。
事前に想定、予想されている質問に対して自信を持って答えられるように理由を考え、しっかり声に出して面接対策を行なっておくと良いです。
参考として扱うとありますが、面接対策を怠らずにしておくべきです。
済美平成中等教育学校の合格ライン
では実際に合格するためには、どの程度点数を取る必要があるのでしょうか。
愛大研で合格範囲内(目安)としている点数は以下のようになります。
-
安全圏:210点以上(70%)
-
五分五分:190~209点(63.3~69.7%)
内訳は年度でばらつきますが、「取りやすいところを確実に取り、落としにくい失点を削る」戦略で7割ラインを安定させるのが基本です。
※学校公式の合格最低点は非公表です。上記は配点と近年の倍率傾向を踏まえた目安です。難易度や倍率で上下します。
筆記試験の目標点
筆記試験では、上述の通り210点以上が安全圏となります。
具体的に、過去問や類似問題では、以下のように正解できると210点以上となります。
-
国語:65~70点(正答率65~70%)
-
算数:70~75点(正答率70~75%)
-
理科:35~40点(正答率70~80%)
- 社会:35~40点(正答率70~80%)
具体的な対策として、
国語は、本文根拠の線引き・50~60字記述は結論先行+根拠2本で部分点をとる練習をすること
算数は、標準大問(比・割合・速さ・図形・数の性質・場合の数)で8割とり、応用問題で部分点をとる練習をすること
理科は、資料読解して計算する際に図に書き込み、式に起こす練習をすること
社会は、地理・歴史・公民の用語を聞かれた際に、その前後や根拠についても説明する練習をすること
が挙げられます。
ただ、試験形式に慣れていないと、そもそも時間内に全て解き切ることが難しいです。何度も繰り返しテスト形式で演習し、時間内に全設問へ着手することが大切です。
また、時間が限られているので取捨選択の練習も必要になります。
面接の目標(参考扱いのため「目安」)
面接は参考扱いなので、どのような受け答えができたらいいかをご紹介いたします。
ポイントは「短く・分かりやすく・具体的に」。
例えば、本校を受験しようと思った理由を質問されたとします。
まず結論を先に、つぎに理由(具体例)を2つ、最後に入学後の行動で締める「型」にそろえると安定します。
-
60秒型:
結論 → 理由①(具体例) → 理由②(具体例) → 入学後どうしたいか -
30秒型(短い回答を求められたとき):
結論 → 理由(1つに絞る) → 入学後
上記のように2パターン練習しておくと安心です。
参考なので点数化されないですが、念の為下記のような回答をしないように気をつけましょう。修正方法の一例もご紹介します。
-
結論が後ろ・話が長い・がんばりますだけ
→結論先行+理由2本+入学後で必ず締めるように練習する -
目線が下・声が小さい
→顎を引き、胸を開くイメージで答えられるように練習する - (分からない質問が来たとき)黙ってしまう、答えない
→「今ははっきりとは分かりませんが、〜だと考えています。理由は〜です。入学までに調べてみたいです。」と答える
正直さ+考えの筋道+学ぶ意欲が伝われば大丈夫です。
最低限しっかりした対応を心がけ、きちんと事前に練習をしていれば乗り越えられる面接試験なので、安心してください。
受験に向けた計画の設定
済美平成中等教育学校に合格するには、
基礎力定着(公立小学校の学習内容を完璧に抑える)をいかに早く終え、実戦に向けた問題を解く時間を確保できるかが本当に重要になります。
目安として、小学校5年生の春頃からは対策を始めて欲しいです。
理由は、6年生になると、受験本番に向けた応用問題に大半の時間を割く必要があるからです。
基礎力定着が遅れてしまうと、その分中学入試問題などを解いて演習する時間も減ってしまいます。
5年生の春頃から対策を始められると、済美平成合格に必要な基礎力を余裕を持って身につけることができます。
中学入試問題は典型題を網羅するのにかなりの時間を要するため、対策開始は早いことに越したことはないです。
中学入試の典型題を抑えて、合格を勝ち取ろう!
いかがでしたか?
済美平成中等教育学校合格のためには、早期の基礎力定着、中学入試典型題の網羅など、勉強の指針を立てていくことが重要です。
そして、自分の現在地を把握した上で、効率の良い勉強方法を確立していくことが、合格のためには不可欠です。
しかし、ご家庭での学習スタイルや、学習計画の設定に不安を覚える方も多いです。
そんなあなたには、この記事を作成した愛大研がサポートを行います。
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愛大研の個別指導は「完全1:1」となっており、1年間同じ講師が担当します。名ばかりの個別指導ではありません。→愛大研の無料体験についての記事はこちら
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