こんにちは、愛大研編集部の武智です。
この記事を見てくれたあなたは、
「総合型選抜Ⅰの対策がしたい!」
「総合問題ってどうやって解くの!?」
このように思っているかもしれません。
総合問題が出題される学科はここ数年で徐々に増えています。
今回は普段指導している生徒から最も質問されることの多い、愛媛大学の総合型選抜Ⅰ(社会共創学部)に焦点を当てました。
本記事では、愛媛大学の総合型選抜Ⅰ(社会共創学部)で出題される総合問題の傾向と対策について、ご紹介します。
愛大研のブログでは、社会共創学部の概要や入試対策についても解説しているので、気になる方はこちらも併せてご覧ください。
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総合問題とは
総合型選抜や一部の学科の二次試験で問われることがある総合問題。
ここ数年で総合問題を課す大学が増加しています。
では、総合問題とはどのような試験なのでしょうか。
一言で言うなら、受験者の知識や学力を総合的に評価する試験です。
思考力や表現力などが必要となります。
単純にたくさんの知識を持っていればいいというわけではありません。
資料を読み取って、その特徴について記述する問題や、常識的な内容を問う問題などが出題されます。
言葉だけで説明されてもピンと来ないと思いますので、実際にサンプル問題に目を通してみましょう。
大学や学部によって出題傾向が大きく異なりますので、まずはあなたが気になっている学部の過去問やサンプル問題を解くのがおすすめです。
愛媛大学で総合問題を課している学部
では、愛媛大学の中で総合問題を課している学部と学科はどのくらいあるのでしょうか。
令和4年度の愛媛大学の募集要項を参考にまとめています。
社会共創学部
・全学科の総合型選抜Ⅰ
・産業マネジメント学科の一般入試前期日程
・環境デザイン学科の一般入試前期日程
医学部
・医学科の学校推薦型選抜Ⅱ、総合型選抜Ⅱ、一般入試前期日程
農学部
・全学科の学校推薦型選抜Ⅱ
愛媛大学では社会共創学部、医学部、農学部が総合問題を実施していました。
推薦型選抜や総合型選抜だけでなく一般入試の個別試験でも実施する学部があることも分かります。
愛媛大学の総合型選抜Ⅰ(社会共創学部)における総合問題
愛媛大学が総合型選抜Ⅰで採用している総合問題を見ていきましょう。
総合問題の配点
愛媛大学で総合型選抜Ⅰを採用しているのは社会共創学部のみです。
まずは、学科ごとの配点を確認してみましょう。
どの学科でも、配点が300点あります。
配点の割合としては得点全体のほぼ半分かそれ以上を占めているため、合格を目指すためには対策必須の科目と言えるでしょう。
社会共創学部の総合問題
学部共通の問題と、学科別の問題があります。
それぞれ問題の特色が異なるので
社会共創学部のホームページに乗っているサンプル問題を実際に見てみましょう。
大問1が学部共通問題、大問2~5は学科別の問題となっています。
資料や文章から内容を読み取って要約したり、自分の考えを記述する問題が多く出題されます。
また、学科別の問題ではその学科で学べる分野の範囲が出題されやすいです。
例えば産業イノベーション学科なら、工学に関する記述問題や理科の知識を問われる問題がよく出題されます。
どの学科も、総合問題における配点が最も高くなっています。一番最初に対策すべき科目ですね。
問題ごとの配点は公表されていませんが、全体を通しておおよそ7割以上正解できるようにしておきましょう。
分かりやすく共通テストに置き換えるなら、国語の現代文で7割得点できていれば問題なく解けると思います。
資料を要約したり意見を述べたりする問題では、以下の3点に気を付けましょう。
- 指定文字数の9割は埋める
- 「資料の特徴について答えよ」か「意見を述べよ」か問題文をよく読んで答える
- 事実と意見を混同しない
これらを意識して解くだけでも点数はグッと伸びます。
他にも本記事では解説しきれない細かいテクニックや読解の練習方法はたくさんありますが、まずは上記の3点を完璧にできるよう取り組んでみて下さい。
総合型選抜Ⅰの過去問解説
実際に、令和2年度の過去問を例に挙げながら、解法について解説していきます。
※著作権の都合により資料の掲載は省略します。
学部共通問題の解き方
総合問題は、大問1の学部共通問題と、大問2~5の学科別問題から成ります。
その中から令和2年度の学部共通問題を取り上げて解き方を解説します。
学部共通問題は設問が4つあります。
あるテーマに沿った資料がいくつか載っており、その資料を基に、
「資料に関する用語の書き取り」をする問題と、
「資料から読み取れること」や「あなたの考え」を100~300字ほどで記述する問題があります。
令和2年度は「日本人の創造性」についての資料が載っていました。資料は、
図表1-1が「最もクリエイティブだと思う国」のアンケート結果、
図表1-2が「自らをクリエイティブであると認識している人の国別の割合」、
図表1-3が「クリエイティブになることが社会/経済に対してメリットをもたらすと回答した人の国別の割合」、
資料1-1と資料1-2がこのテーマに関する文章になっています。
設問1 語句の書き取り
資料内の空欄に入る適切な語句を、選択肢の中から選ぶ問題です。
ここで問われる内容は常識的な内容や、文章をよく読めば解ける問題がほとんどです。
不安な方は公民科目の現代社会で習う基礎的な内容の復習と、文章読解の練習をしておくと良いでしょう。
難易度はかなり低いため、全問正解できるようにしましょう。
設問2 資料に関する特徴を記述する
「資料に表れている、日本の独創性の認識に関する特徴を150字以内で説明しなさい」
という設問です。
ここでは、資料に書かれてあること、資料から読み取れる事実を記述しましょう。
例えば、
「〇〇と考えている人は△△の中で最も多く、××だと思われている。」
のように記述します。
「私はこのように考える」などと答えるのは誤りですので気を付けてください。
設問2 論点を整理する
「資料を読み、創造性の発揮をめぐるそれぞれの論点を250字以内で説明しなさい。」
という設問です。
資料をよく読んで論点をまとめるのですが、先ほどと同じように、あなたの考えを述べるわけではありませんので注意してください。
「私は〇〇のように思う。よって☆☆していきたい。」のように書かないようにしましょう。
また、字数を指定されているときは、指定された字数の9割以上を埋めるようにしましょう。
今回の設問で言えば225文字以上書く必要がありますね。
設問4 あなたの考えを述べる
「各資料の論点の違いを踏まえて、創造性の発揮に関するあなたの考えを250字以内で述べなさい」
という設問です。
ここでやっと意見を述べることができます。資料から読み取れるものを元に、あなたの考えを記述してください。
先ほどまでとは反対に、事実や資料に書かれた要約で終わることのないようにしましょう。
学科別問題の特徴
各学部の問題の概要と、大まかな対策方法についてご紹介します。
産業マネジメント学科
地域社会に関するテーマで英文が書かれており、学部共通問題のような設問に答えていきます。
文章自体はそれほど難しくありません。
共通テストのリーディングで6割ほど得点できれば和訳できると思われます。
記述して解答する設問が多いため、速読力を身につけておくといいですね。
産業イノベーション学科
必答問題と選択問題があります。
必答問題は学部共通問題のような記述式の設問が多いです。科学技術に関する事例を挙げながら答えられるようにしておきましょう。
選択問題は「化学」「物理」「生物」から選んで解答できます。年度によって理科基礎までの内容で解ける場合もあります。特に化学は、化学基礎までの理解で解けることが多いです。
どの科目を選んでも配点は同じなので、自分の得意かつ内容が簡単な傾向にある科目を選ぶのがお勧めです。
私も現役のときは化学を選択して受験しました。
環境デザイン学科
学部共通問題と同じ形式の問題が2つ出題されます。
ただし、学部共通問題のテーマが社会系全般の分野であるのに対し、こちらで出題されるテーマは環境デザイン学科で学べる内容(環境,地方都市など)に近いです。
周辺知識は徹底的に調べ、あなた自身の意見を述べられるように対策しておきましょう。
地域資源マネジメント学科
「農山漁村領域」「文化資源領域」「スポーツ健康領域」の3つの領域から問題を選択できます。
傾向や対策としては環境デザイン学科と同じで、学部共通問題に近い出題方式になっています。
一番解きやすい領域を選択して解いてかまいませんが、基本的にはあなたが志願するコースの領域を選ぶのが無難でしょう。
総合問題の勉強方法は?
ここまで、総合問題の全容についてご紹介してきました。
では、実際の入試に向けてどのように対策していけばよいのでしょうか。
対策を時系列順に確認してみましょう。
高校2年生の3月まで
総合型選抜Ⅰの総合問題は、あなたが受験する学科で学べることに関連するテーマで出題されます。
そのため、まずはあなたが受験する学科で学べることや、それに関連する地域社会の課題やニュースなどを調べておくようにしましょう。
そうすれば、総合問題の対策はもちろんのこと、志望理由書で書けることが増えたり、面接での応答がしやすくなったりもします。一石何鳥にもなりますね。
また、時間を見つけて体験型学習にも積極的に参加しておくと良いでしょう。
関連知識が身に付きますし、自分が体験したことの方がイメージが湧くので、総合問題や面接等でアウトプットしやすくなります。
個人的な意見ですが、この時期は総合問題の対策と限定するより、総合型選抜Ⅰに合格するために行動することを意識しておくと、受験のときに楽になると思います。
総合型選抜Ⅰの総合的な対策についてはこちらの記事でも解説していますので、気になる方はぜひご覧ください。
関連記事→【総合型選抜Ⅰ】愛媛大学社会共創学部に合格するには?傾向と対策
高校3年生4月~7月
実際にサンプル問題を解いてみて、あなたの実力がどれくらいか確認しましょう。
知識や筆記力などが足りないようであれば、資料から情報を読み取る練習や、あなたの考えを記述する練習を開始しましょう。
また、一般入試を受験する人よりも3ヶ月前倒しで勉強を進めておいてください。
総合型選抜Ⅰの対策には皆さんが想像しているよりも多くの時間を使います。
また、総合型選抜Ⅰの入試は共通テストの直前にあるため、万が一合格できなかったときに共通テストの勉強が間に合わなくなります。
高校3年生の8月~9月
夏休みごろから、対策を本格化させましょう。
過去問を数年分解いて、社会共創学部の出題傾向に慣れていきましょう。
過去問が無くなったら、他大学の過去問を解くのもオススメです。
ただし、採点するときは学校や塾の先生に見せるようにしてください。
記述問題を自分の基準だけで採点するのは絶対に止めましょう。
高校3年生の10月~受験直前
過去問が残っている場合は解き切っておきましょう。
そして、これまでに学んだり対策したりしてきたことを見直して最終確認します。
演習を積む中で見つけた、知らない単語や忘れてしまっていた知識を再度復習しておき、「受験生の中で誰よりもその分野に詳しいぞ!」と言えるくらい自信をつけておけるといいですね。
愛大研の愛媛大推薦入試突破クラス
ここまで、愛媛大学の総合型選抜Ⅰの総合問題の特徴や対策の流れなどについてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。
この記事は、私がAOⅠ型入試(現 総合型選抜Ⅰ)で社会共創学部に合格した経験や、
これまでに総合型選抜Ⅰで生徒を合格させた経験を元にしているので、
ぜひ参考にしていただけたらと思います。
筆者の出身校では、多くの先生方が推薦入試やAO入試(現総合型選抜)の対策を手厚く行って下さったため、自信を持って入試本番を迎えることができました。
ところが、大学入学後に他校出身の友人や塾の生徒に話を聞くと、「卒業生に前例がないので不安」という声が多かったり、試験対策の内容に大きな差があったりすることを知りました。
そこで、私が知っている推薦/総合型入試の対策方法やAO入試合格経験を元に、これまで十分に試験対策ができなかった生徒に向けたサポートを行いたいと思いました。
愛大研では2021年度から愛媛大推薦入試突破クラスを開講しています。
コンサルティング形式での定期面談や、総合問題対策、グループディスカッション対策などの実践的な練習も行っていますので、興味がある方はお気軽にご相談ください。
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